薬学用語解説
色素体内膜局在型糖リン酸輸送体
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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色素体内膜局在型糖リン酸輸送体は、色素体の内膜に局在する膜タンパク質で、リン酸と様々な糖リン酸の対向輸送(交換輸送)を行うトランスポーターであり、基質特異性により4種類に分けられる。(1)トリオースリン酸、3-ホスホグリセリン酸などを基質とし、カルビン回路の生産物を細胞質に輸送する。(2)トリオースリン酸、2-ホスホグリセリン酸に加え、ホスホエノールピルビン酸を基質とし、脂肪酸合成やシキミ酸経路へ炭素を供給する。(3)グルコース6-リン酸などを基質とし、色素体に炭素源とエネルギー源を供給する。(4)キシルロース5-リン酸、リブロース5-リン酸などを基質とする。これら4種の輸送体は、色素体と細胞質の糖代謝を結び付ける役割を担っている。