薬学用語解説
エキソサイトーシス
開口分泌(かいこうぶんぴ)
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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開口分泌ともいう。真核細胞が物質を細胞外へと分泌する過程。細胞膜直下に存在する小胞(粗面小胞体からゴルジ体を経て運ばれてきたタンパク質を含む分泌小胞、エンドソーム小胞、シナプス小胞、分泌顆粒など)の膜と細胞膜との融合が起こって、小胞の内容物が細胞外へと放出される。神経終末のシナプス小胞からの神経伝達物質の放出、内分泌細胞の分泌顆粒からのホルモンの分泌、膵臓などの外分泌細胞からの消化酵素などの分泌、Bリンパ球からの抗体の分泌、アレルギー反応や炎症反応の際に抗原刺激に応答するマスト細胞(mast cell)内の顆粒からのヒスタミンの分泌などがある。また、すべての細胞の基本的な機能として、調節を受けることなく常時起こるエキソサイトーシスがある(構成性分泌という)。小胞膜と細胞膜の融合はSNAREタンパク質などによって媒介され、シナプス小胞や分泌顆粒などからのエキソサイトーシスの場合には、細胞外からのCa2+流入が引き金となってCa2+感受性タンパク質による調節を受ける(調節性分泌という)。