薬学用語解説
IP3受容体
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会
細胞内Ca2+はセカンドメッセンジャーとして働き、その濃度変化は細胞機能の調節因子として重要である。細胞内Ca2+濃度が上昇するには、Ca2+チャネルを経由した細胞外からの流入か、細胞内Ca2+貯蔵庫である小胞体から放出されることのいずれかが必要である。主に非興奮性の細胞では、細胞膜上の受容体刺激によるホスホリパーゼCの作用で生成したIP3が、小胞体膜上のIP3受容体に結合することで、小胞体からのCa2+放出が一過的に促進される。IP3受容体は三つのタイプに分類され、すべてホモ4量体を形成する膜タンパクである。各サブユニット上にリガンド結合部位とCa2+チャネル部位が存在し、IP3結合によりチャネル部分が開口する。