薬学用語解説
サイトカイン
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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細胞から放出され、種々の細胞間相互作用を媒介するタンパク質性因子を総称してサイトカインと呼ぶ。おのおののサイトカインに特異的なレセプターが同定されている。サイトカインは免疫、炎症、生体防御において重要な役割を担っている。サイトカイン全般に共通する性格として、(1)タンパク質である、(2)極めて微量(10-10~10-13mol/l)で効果を発揮する、(3)細胞表面のレセプターに結合し、細胞内シグナル伝達により効果を発揮する、(4)標的細胞特異性を示す、(5)主として産生局所で働く、すなわち、パラクリンあるいはオートクリン的に働く、(6)互いに連関した作用、すなわちサイトカインネットワークを形成する,ことがあげられる。 生物活性としては、細胞性免疫を増強するものや〔インターフェロンγ、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン12(IL-12)など〕、抑制するもの〔インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン10(IL-10)〕がある。抗体産生を増強したり〔IL-4、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)など〕、造血系細胞の増殖・分化を促進するもの〔インターロイキン3(IL-3)、IL-4、IL-5、IL-6、インターロイキン7、インターロイキン9、インターロイキン11、トロンボポエチン、GM-CSFなど〕もある。また、白血球遊走に関与するサイトカインはケモカインと呼ばれ、インターロイキン8(IL-8)などがある。