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薬学用語解説

カイロミクロン

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

血清リボタンパクの1種で、最も低密度(0.95g/ml以下)であり、直径100 nm以上の非常に大きな粒子である。カイロミクロンは腸管から吸収された食事性脂質に由来する外因性脂肪の運搬体であり、ほとんどがトリアシルグリセロールからなる。構造維持タンパクはアポB-48タンパクである。小腸上皮細胞の滑面小胞体において、食事性脂質の消化産物より再合成されたトリアシルグリセロールは、ミクロソームトリアシルグリセロール転送タンパク質によって運ばれ、ゴルジ装置を経てカイロミクロンとして小腸リンパへ放出される。カイロミクロンは小腸リンパから血液中に入るが、脂肪組織や心臓の血管内皮に結合したリポタンパク質リパーゼの作用により脂肪酸を失い、やがて、カイロミクロンレムナントとして肝臓に取り込まれ、肝臓ではあたらにVLDL(超低密度リポタンパク質)として合成され分泌される。