薬学用語解説
急性期タンパク質
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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急性期タンパク質とは、急性期反応に伴い肝臓で合成、血液中に分泌され、その血中濃度が増減するタンパク質の一群のことである。感染症や炎症性疾患の際、樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞から炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNFαなど)が分泌される。これらの炎症性サイトカインが肝臓に作用する結果、急性期反応が生じる。C反応性タンパク質(CRP)、マンノース結合性タンパク質、フィブリノーゲン、ハプトグロビン、α1-アンチトリプシンなどが該当する。急性期反応は生体防御の一環であろうとされるが、明確な生理的意義は不明である。