薬学用語解説
血清アルブミン
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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肝臓で生合成される、分子量約66,000のタンパク質。血清タンパク質の約50~65%を占める。血液の浸透圧の保持、pH緩衝作用、各組織へのアミノ酸供給 、抗酸化作用に加え、脂肪酸、ビリルビン、無機イオン、薬物などの外来物質を結合し、運搬する機能がある。薬物のタンパク結合を担う主要なタンパク質である。アルブミンに結合した低分子化合物は臓器に取り込まれにくいため、代謝・排泄されることなく血中を循環することができる。α1-酸性糖タンパク質が塩基性薬物と結合するのに対し、薬物全般特にフェニトイン、ジクロフェナック、バルプロ酸を始めとする酸性薬物と強く結合する。 臨床検査では血中アルブミン濃度は肝機能の指標とされている。健常人の基準値は約4~5g/dL。肝障害、腎不全、ネフローゼ症候群、低栄養状態、妊娠により低下する。低アルブミン血症時には酸性薬物の結合低下が顕著になり、体内動態や薬効が変化しやすい。