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薬学用語解説

MYB転写因子 (高等植物)

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

もともとはトリ骨髄芽球症ウイルスからがん遺伝子として発見されたが、その後、哺乳類、昆虫、植物、真菌などで広く転写制御因子として存在することが示された。MYBタンパク質中の、50アミノ酸残基からなる保存されたへリックス―ターン―へリックス構造が、DNA結合ドメインとして働き転写制御に関わる。通常このDNA結合ドメインは、MYBタンパク質中に1~3個繰り返して存在する。繰り返しが1個及び3個のMYB因子は細胞周期など、どの生物にとっても基本的な現象に関与していると考えられる。しかし、繰り返し構造が2個のMYB因子は、シロイヌナズナ(モデル植物)のゲノムに125個も存在し、2次代謝やストレス応答など植物に特有な現象の制御に関わっている。