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薬学用語解説

スプライシング制御型アンチセンス

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

スプライシング制御型アンチセンスはmRNA前駆体(pre-mRNA)に結合し、スプライシング因子とpre-mRNAの結合を阻害する一本鎖オリゴ核酸である。近傍に存在するエクソンのスプライシング(スプライスイン、スプライスアウト)を制御し、フレームシフトを起こした異常RNAのコドンの読み枠を正常化し、インフレームで翻訳された機能的なタンパク質を発現させることが可能になる。例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するアンチセンス医薬品Exondys 51®(一般名:eteplirsen)は、スプライスアウトにより機能発現に重要なN末端とC末端を保持したジストロフィンタンパク質の発現を導き、脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス医薬品Spinraza®(一般名:nusinersen)は、スプライスインによりSMN2遺伝子から機能性SMNタンパク質の発現を誘導する。