薬学用語解説
システム生物学
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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システム生物学は、生命現象を構成する多数の要素からなるシステムとして捉え、その振る舞いや動作原理を理解しようとする学問である。組織や細胞における遺伝子発現パターンやタンパク質発現、代謝ネットワークなど、多階層にまたがる実測データをもとに、数理計算モデルやシミュレーション、統計学的手法などを駆使した研究が行われている。従来の生物学研究で蓄積された生体構成要素の知見に加え、システムという観点で物を捉える新たな生物学が組み合わさることにより、複雑な生命現象を統合的に理解することが可能になる。システム生物学は、医学・生物学分野で今後さらに重要性が増すであろう学問分野である。