薬学用語解説
老化細胞阻害 (senomorphic) 薬
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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Senomorphic(老化細胞阻害)薬とは、老化細胞の表現型のうち、慢性炎症を惹起するなどの「負の作用」のみを阻害(主に、SASP因子の分泌を低下)する標的薬の総称である。生体にとって「正(抗ガン化作用など)」と「負」の作用を併せ持つ老化細胞を、特異的に死滅させる老化細胞除去(Senolytic)薬と対比して用いられる呼称である。現在、ドラッグ・リポジショニングの研究によって、mTOR阻害薬であるラパマイシン(Rapamycin)、AMPK賦活剤であるメトホルミン(Metformin)、JAK阻害剤であるルキソリチニブ(Ruxolitinib)などが有用視されている。