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薬学用語解説

netrin

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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netrin(線虫のUNC-6)は、脊髄のフロアプレート細胞が産生する約600アミノ酸の分泌タンパク質である。脊髄交連神経細胞の軸索を誘引する因子として同定された軸索ガイダンス分子の1種である. 胎児期に神経回路を形成する際、神経細胞の軸索は様々な軸索ガイダンス分子に導かれて伸長したり、反発して退縮したりして、目的の細胞に軸索を到達させる。軸索ガイダンス分子は神経細胞膜上にある特異的な受容体(DCC等)に結合し、細胞内シグナル伝達を介して細胞の移動を制御する。現在までに様々な軸索ガイダンス分子が発見されており、軸索に対し誘引作用を示すnetrin、NGL-1や反発作用を示すsemaphorin、ephrin、slitなどが知られている。