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薬学用語解説

ゴルジ体
ゴルジ装置, ゴルジ複合体

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

ゴルジ体は、1898年にC. Golgiにより見出された層板状の扁平な嚢(システルネ)とそれに結合した小胞や管状物からなるオルガネラである。ゴルジ体では、糖鎖付加などのタンパク質の修飾や、タンパク質の目的の場所への分別・輸送が行われ,タンパク質の移動の起点となる。一般にシステルネは湾曲しており、粗面小胞体側の凸部はシス嚢、中間は中間嚢、反対側の凹部はトランス嚢、最もシス側をシスゴルジ網、最もトランス側はトランスゴルジ網と呼ばれる。分泌タンパク質や細胞膜タンパク質、リソソームタンパク質を目的の場所・部位へ送達するために、小胞輸送経路が働く。まず、小胞体から出芽した小胞がゴルジ体に融合する。シスゴルジ網では、小胞体に送り返すタンパク質と次のゴルジ嚢へ送り出すタンパク質を分別している。ゴルジ体ではシス、中間、トランス領域を順次、小胞が出芽と融合を繰り返す。トランスゴルジ網では異なる型の小胞が生じ、細胞膜やリソソームへ分別されて送り出され、それぞれ目的の場所・部位の膜と融合する。分泌タンパク質の場合は、小胞が細胞膜に融合すると細胞外へと放出される。