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薬学用語解説

遺伝子診断
遺伝子検査

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

遺伝子診断あるいは遺伝子検査とは、個人の遺伝子の情報を解析して、疾患やタンパク質の機能異常を引き起こす遺伝子変異の有無を診断する手法のことをいう。個人が持っている遺伝子情報、すなわちSNPs(一塩基多型)などの個体差や特定の遺伝子の特徴を調べ、その個人に適切な治療を行うために検査・判定する。遺伝子診断には、個人の血液、体液や組織細胞などから採取したDNAを用いて、PCRで増幅したDNA断片を電気泳動で分析する古典的な方法や、DNAマイクロアレイ法、次世代シークエンス法など様々な分析方法がある。遺伝子診断には目的や手法によってさまざまな種類のものがある。すでに発病した患者に対して、病気の原因を確定するために実施する確定診断、将来の発症の可能性を検査する発症前診断、遺伝病の保因者であるかを調べる保因者診断(キャリアー診断)、胎児の遺伝病を調べる目的の出生前診断、着床前の受精卵の遺伝子を検査する着床前診断などがある。