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薬学用語解説

イミダゾール(1,3-ジアゾール)

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

融点91℃、沸点257℃の芳香族複素環式化合物(化学式:C3H4N2、分子量:68.1)。水中での共役酸のpKaは6.95であり、ピリジンよりも塩基性が強いが、生理的pHでプロトンを着脱できるため、酸としても塩基としても機能できる。アミノ酸のヒスチジン側鎖にはイミダゾール基が存在し、酵素の活性部位近傍で、プロトンの授受の役割を担っている。神経伝達物質のヒスタミン、抗ヒスタミン薬のシメチジン、抗真菌薬のエコナゾール、ミコナゾールなどもイミダゾール構造を有している。プリンの部分構造ともとらえられる。また、遷移金属の配位子やアシル化剤などで、有機合成に広く利用されている。