薬学用語解説
保護基
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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複数の官能基をもつ化合物の特定の官能基に対して化学反応を適用しようとしても、目的以外の官能基の方の反応性が高い場合、意図する化合物の合成は不可能である。この様な場合、後の段階で除去することを前提に、反応性の高い官能基に一時的に導入して反応性を抑える置換基を保護基と呼ぶ。また、保護基を導入する反応を保護(反応)、除去する反応を脱保護(反応)という。以下に制がん剤であるメルファランの合成経路を示すが①でアミノ基を保護し、②で生成した新たなアミノ基に③の反応を行い、最後(④)で脱保護してアミノ基を再生し、目的のメルファランを得ている。