薬学用語解説
ドーピング効果
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月28日
化学系薬学部会
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不純物をわずかに添加することで、物質の性質が変化すること。結晶成長の場合、impurity effectと表現されることがある。有機物結晶の多くは、水素結合のネットワークで形成されている。例えば、ベンズアミド結晶は1つのベンズアミド分子の-NH2と他分子の=Oとが水素結合し、ネットワークが形成されている。ベンズアミドの結晶成長に対して、不純物として安息香酸が作用すると水素結合のネットワークが途切れ、最終的に結晶成長が阻害される。結晶成長に不純物が作用すると、成長速度が低下したり、結晶形態が変化したりする。形態を変化させるために既知物質を作用させる場合があるが、これはtailor-made添加物と呼ばれる。