薬学用語解説
アルキル化剤
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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細胞障害性抗がん剤(制がん剤)の一種。DNA塩基と共有結合できるアルキル基部位を複数持ち、2本のDNA鎖を結びつける(鎖間クロスリンク)ことによりDNAの複製を妨げる。DNAの塩基、特にグアニンは求核性があり、一般的に求核置換反応でDNA塩基とアルキル基が共有結合する。臨床的に白血病,悪性リンパ腫、肉腫などをはじめ各種のがん治療に用いられる。主なものとしてはシクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、ブスルファン、ニムスチン塩酸塩、メルファラン、チオテパなどがある。なお、DNAと1カ所でしか共有結合できない化合物は制がん剤ではなく発がん物質となる場合が多い。