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薬学用語解説

キレート試薬

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

キレートを形成する化合物はキレート試薬とよばれる。金属イオンを分離あるいは定量する目的で、様々なキレート試薬が開発されている。多くの金属イオンと安定な水溶性のキレートを生成するEDTAは、金属イオンを定量する際の代表的な標準液として用いられている。キレート試薬の中には金属イオンと反応して発色するものがあり、金属イオンの比色分析試薬として利用されるものもある。また、8-キノリノール、ジチゾンなどは、有機溶媒に可溶なキレートを形成するため、抽出キレート試薬(抽出キレート剤)とよばれる。クラウンエーテル、サイクラムなどは大環状キレート試薬とよばれている。これらのキレート試薬やキレートは、分析用試薬、医薬品(放射性医薬品、MRI用造影剤、重金属排泄剤など)、農薬、触媒、イムノアッセイ用蛍光標識剤、蛍光プロープ、食品添加物、写真用処理剤、シャンプー、石けんなどに広く利用されている。