薬学用語解説
フリーラジカル
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月21日
化学系薬学部会
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一般に電子は2個で対をなしている状態で原子軌道あるいは分子軌道に安定に収容されている。しかし、ラジカルでは軌道に1つの電子(不対電子)しかなく、きわめて反応性が高い。活性酸素種ではスーパーオキシドやヒドロキシルラジカルがラジカル種であるが、過酸化水素、一重項酸素は非ラジカル種である。ラジカル(活性酸素)は、食品の酸化腐敗、プラスチックなど有機工業製品の劣化を起こすほか、生体内では過酸化脂質の生成、タンパク質の変性、DNAの損傷などの有害作用をひき起こす。また、人が呼吸で必要としている空気中の酸素分子は2つのラジカルを有し、ビラジカルと呼ばれる。