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薬学用語解説

カスケード型反応

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
化学系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

一度の操作によって3つ以上の反応が次々と起こる反応様式を、カスケード型反応と呼ぶ。小滝の水が階段状に連なって流れ落ちるがごとく、次々と反応が進行していく様子から"カスケード(cascade)"と形容される。この連続反応は、ドミノ型反応とも呼ばれる。これは"ドミノ倒し"というゲームに由来する。カスケード型反応は、化学的に不安定な中間体を取り出すことなく目的とする分子を構築できるため、合成経路の効率化・短工程化や後処理の単純化に寄与し、環境調和型化学プロセスの面で重要なコンセプトの1つである。なお、関連するタンデム型反応は2つの反応が連続的(または同時)に進行する場合に用い、カスケード型反応とは区別して用いる。