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薬学用語解説

PET/SPECT

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
化学系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

ポジトロン断層法(PET)とは、陽電子検出を利用した生体断層撮影法である。人体に投与された陽電子放出核種(例えば、11Cや18F)は、体内で崩壊して1個の陽電子を放出する。放出された陽電子は近傍の電子と対消滅し、電子の静止質量に等しいエネルギー(511keV)の光子(ガンマ線)が2個放出される。多数のガンマ線検出器から構成されるPET装置は、2個の光子の信号を組み合わせる同時計数回路により、高感度にトレーサーを検出できる。一方、単一光子放射断層撮影(SPECT)とは、体内に投与した放射性同位体から放出されるガンマ線を検出し、その分布を断層画像にしたものであり、PETよりも感度や空間分解能が低いが、トレーサーの半減期が長く取り扱いが容易であるため、医療ではより広く普及している。