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薬学用語解説

ナフタレン

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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ベンゼン環が2個縮合した化合物で分子量128、融点81度、沸点218度の昇華性をもつ無色固体。多環式芳香族炭化水素(PAH)とよばれるベンゼノイド芳香族化合物の1つである。置換基の位置を表す場合(炭素位置番号)は図のように1〜8と4a、8aを用いる場合と、αとβを用いる場合がある。2-ナフチルアミン(β-ナフチルアミン)は体の中で酸化、抱合化を受けた後に求電子体を生成して遺伝子と結合し発がん性を示す。ナフタレンに対するニトロ化やフリーデルクラフツアシル化反応などの求電子置換反応は、1位で反応しやすい。ベンゼン環が3個縮合した化合物にはアントラセンとフェナンスレンがある。