薬学用語解説
ノリッシュ反応
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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ノリッシュ反応はカルボニル化合物(ケトン、アルデヒド)の光反応であり、I型反応とⅡ型反応が知られている。ノリッシュI型反応では、光照射により励起カルボニル基となり、α位の結合が均等開裂することでラジカル種(アシルラジカル、アルキルラジカル)を与える。発生したラジカル種は、脱カルボニル化、不均化、水素引き抜きなどにより種々の生成物となる。一方、ノリッシュⅡ型反応では,励起カルボニル酸素によってγ位の炭素に結合した水素原子が引き抜かれ、ビラジカル種を与える。生成したビラジカルは、分子内で結合してシクロブタノール誘導体となるか、α位とβ位の炭素―炭素結合を開裂し、ケトンとオレフィンに分解する。