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薬学用語解説

チオール

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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チオールは、アルコールやフェノールのヒドロキシ基をスルファニル基(−SH)に置換した化合物である。S-が安定なためH+が解離しやすいので、弱酸性(pKaは9~12)である。チオール類も抗酸化活性がありシステインなどが酸化防止剤として用いられている。しかし、一般的にチオール類は悪臭を持つこと、安定性が低いことから日常品に用いられるものは少ない。逆に強い悪臭を利用した使用法として、都市ガスなどへのチオール類の混入があげられる。都市ガスなどは1000倍に希釈されてもにおいでガス漏れが感知できることが法律上義務づけられているため、タマネギが腐敗したときのような悪臭を発するt-ブチルメルカプタンがごく微量ガスに混入されている. なお、ガスが完全燃焼している際にはt-ブチルメルカプタンも燃焼しにおいを発することはない。