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薬学用語解説

ランダムコポリマー

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月21日
化学系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

複数のモノマーユニットがランダムに繋がっている合成高分子の総称である。コパキソンは酢酸グラチラマー、コポリマーIとも呼ばれ、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)に多く含まれる4種のアミノ酸(グルタミン酸、リジン、アラニン、チロシン)がランダムに配列した構造を持つ、分子量約6,400のペプチドコポリマーである。改変ペプチド抗原として働き、MBP反応性の病原性T細胞の分化を炎症性のTh1から制御性のTh2へとシフトさせて炎症反応を抑制する作用や、いわゆるMBPのデコイ(おとり)として働き、MBPに対する免疫応答を回避する作用などにより、多発性硬化症を改善する効果を持つ。日本を含む世界の約50か国で多発性硬化症治療薬として承認されている。