薬学用語解説
加水分解反応
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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カルボン酸誘導体(R-CO-L)は水と反応すると加水分解が進行しカルボン酸とLHが生成する。カルボン酸誘導体の加水分解を受けやすい順は ハロゲン化アシル>酸無水物>エステル>アミド であり、ハロゲン化アシルと酸無水物は一般的に水中に入れるだけで加水分解される。これに対しエステル、アミドの加水分解には酸、または塩基触媒が必要で、さらに加熱も必要とする場合が多い。 酸条件では図1のようにカルボニル基へのプロトン化から反応がはじまり、最終的にカルボン酸が得られる。塩基条件では-OHによるカルボニル炭素への攻撃からはじまり、最終的にカルボキシラート(4)が生成する(図2)。この塩基によるエステルの加水分解をけん化と呼ぶ。