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薬学用語解説

アルデヒドおよびケトン

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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カルボニル基に2つの炭素原子が結合した化合物がケトン(一般式としてR-CO-Rで表される)であり、アルデヒド(一般式としてR−CHOで表される)はその一方、あるいは両方が水素原子に置換された化合物である。アルデヒドおよびケトンは、有機化学において最も重要な官能基である。その理由は、反応性の多様さにより医薬品を含む多くの有用物質を合成する際、最も役に立つからである。実験室で用いられるアルデヒド、ケトンとしてはベンズアルデヒド、アセトフェノンなどがあるが、これらは総じて芳香を放つ。これから想像できるようにアルデヒド、ケトンを持つ化学物質は香料などとして使われている。香料に用いられているアルデヒドの代表的なものとしてはバニラ臭のバニリン、カレー臭のクミナール、シナモン臭のシンナムアルデヒド、ショウガ臭のシトロネラールなどがある。しかし、 一部のアルデヒドは異臭を放つ。アセトアルデヒドやホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因ともなっており、生体膜の脂質過酸化などで生成するノネナールはいわゆる「加齢臭」の原因であることが明らかにされている。