薬学用語解説
イオン結合
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
化学系薬学部会
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カチオンとアニオンの引合い(クーロン力)による結合をイオン結合という。1族、2族の原子は、安定な希ガスと同じ電子配置となるように最外殻から電子を放出しやすい。これに対し電子親和力の強い17族のハロゲンなどは、安定な希ガスと同じ電子配置となるように電子を受け取りやすい。電子を放出しやすい原子と電子親和力の高い原子の間で、電子が移行してカチオンとアニオンの結合ができる。複数個の電子の移行も可能であり、カルシウムは2個の電子を放出して二価のカルシウムイオンとなる。たとえば1個のカルシウム原子と2個の塩素原子が相互作用してCa2+2Cl−という塩を形成する。