薬学用語解説
アンカップリング反応
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
化学系薬学部会
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アンカップリング(脱共役)反応とは、ミトコンドリアの電子伝達系において形成される内膜を介したプロトン濃度勾配を、ATP合成反応と共役させずに解消する反応を指す。ミトコンドリア内膜にはプロトン輸送体として脱共役タンパク質(uncoupling protein: UCP)が存在し、プロトンの受動輸送により膜間のプロトン濃度勾配を解消する。その際プロトン流入エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、脱共役タンパク質UCP-1は別名サーモゲニンとも呼ばれ、動物の熱産生において重要な役割を果たす。食物から得られたエネルギーを熱として放出するため、UCPの機能向上は肥満抑止につながると考えられている。