薬学用語解説
HBs抗原とHBe抗原
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月28日
化学系薬学部会
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HBs抗原とHBe抗原は、ウイルスが産生するタンパクのうち血液検査で検出される主要なタンパクである。ウイルスが感染すると血液中にはウイルス粒子のほかにcapsidを含まない小球状粒子と管状粒子が産生される。HBs抗原はこのいずれの粒子にも存在するタンパクである。完全な粒子はHBs抗原タンパクの先端にpreS1、preS2タンパクを有していて、ウイルスが細胞に感染する際に結合するレセプターを形成している。HBe抗原はウイルスが産生する可溶性タンパクであり、ウイルスの免疫反応からの逃避に役立っている。臨床的にはHBs抗原はウイルス感染の診断に用いられ、HBe抗原はウイルス増殖が活発であることを示す指標として用いられる。