薬学用語解説
非臨床試験
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医療薬科学部会
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医薬品の研究開発において、動物を用いて薬効薬理作用、生体内での動態、有害な作用などを調べる試験。医薬品の有効性・安全性を評価する試験は、非臨床試験と臨床試験に大別される。非臨床試験の結果、有効性が期待でき、安全性にも問題がないと考えられた場合にヒトで行うのが臨床試験である。非臨床試験は、有効性と安全性を評価・証明するための科学的データを提供するものであり、臨床試験へと進むために必要であるとともに臨床における有効性と安全性を裏づけるために重要である。以前は前臨床試験とも呼ばれたが、臨床試験開始後にも行われることから非臨床試験としている。近年では動物試験に限らず、細胞培養やコンピュータ上のシミュレーションを用いた医薬品候補化合物の評価も試みられており、これらも非臨床試験の範疇に入る。