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薬学用語解説

急性ポルフィリン症

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医療薬科学部会
© 公益社団法人日本薬学会

ポルフィリン症とは、ヘムの生合成に関与する酵素の障害を原因とする疾患群であり、ポルフィリン症のうち、腹痛、末梢神経障害、痙攣、不安・幻覚・妄想などの精神神経障害を特徴とする症状を呈するタイプのものを、急性ポルフィリン症という。突然起こる下腹部の痛みにより、発症が確認されることが多いため、急性ポルフィリン症と呼ばれるようになった。急性ポルフィリン症には、急性間欠性ポルフィリア(AIP)、遺伝性コプロポルフィリア(HCP)、アミノレブリン酸脱水酵素欠損症(ADP)があり、ヘム生合成をつかさどるポルホビリノーゲン脱アミノ化酵素(PBGD)、コプロポルフィリノーゲン酸化酵素(CPO)、アミノレブリン酸脱水酵素(ALAD)がそれぞれの病型に対応する原因遺伝子となっている。発症メカニズムは明らかではないが、ヘム前駆体のアミノレブリン酸(ALA)やポルホビリノーゲン(PBG)の蓄積が深く関係していると考えられている。