薬学用語解説
クリニカルパス
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医療薬科学部会
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クリティカルパスともいう。1985年にアメリカのKaren Zanderが初めて医療の分野に導入した概念で、一定の疾患や疾病を持つ患者に対して、入院指導、患者へのオリエンテーション、ケア処置、検査項目、退院指導などをスケジュール表のようにまとめたもの。時間軸を横軸、ケアなどの内容を縦軸にとり、主な医療行為と医療分野全体をチャートにまとめたもの。最初は看護業務を中心に普及したが、最近では医療分野全体として「ケアの質と効率性」という二律相反するものが求められ、医療経営のためのツールとしても注目されている。それぞれの専門職が協働し、最短の時間で最少の資源(ヒトとモノ)を使って最良の治療効果をあげるために医療の標準化をめざしたものである。患者にとっては、入院中のスケジュールだ示されるために安心感も高まり、インフォームドコンセントが充実する。経済面が強調されるきらいがあるが、チーム医療における業務の効率化や整理が図られ、医療効率や質の確保のために積極的に取り入れられつつある。