薬学用語解説
エンドポイント
評価項目
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
レギュラトリーサイエンス部会
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治療行為の有効性を示すための評価項目のこと。臨床試験(治験)でのエンドポイントは、治療の目的に合っており、なおかつ、客観的に評価できる項目が望ましいとされている。臨床試験における治療行為で本来求めたいアウトカムは、死亡率の低下、疾患の発症率の低下、QOLの向上、副作用の低減などであり、これらの評価項目は、真のエンドポイント(true endpoint)と呼ばれる。しかし、それらを治験の期間内で評価することは難しいため、血糖値、血清脂質値、腫瘍サイズ、血圧、など短期間で評価できる代用エンドポイント(サロゲートエンドポイント)が採用される場合もあり、治療行為に対する評価を短期間で行うことが可能である。サロゲートエンドポイントそれ自体では臨床上の利益とならなくても、治療上のアウトカムを合理的に予測しうる場合には、プライマリーエンドポイント(主要評価項目)として用いることができる。 複数のエンドポイントを評価する場合には、プライマリーエンドポイント(主要評価項目)とセカンダリーエンドポイント(副次的評価項目)が設定される。プライマリーエンドポイントとは臨床試験において目的とする評価項目であり、薬理学的、臨床的に意味のある客観的評価可能な項目が用いられる。セカンダリーエンドポイントは、治験の主要な評価項目以外の効果を評価するための項目であり、必ずしもプライマリーエンドポイント(主要評価項目)との関連性があるとは限らない。 エンドポイントに用いられる評価項目は、比率(発症率や死亡率、再発率)、時間(生存期間や再発までの時間)、数値(血圧値やコレステロール値)、症状の緩和(変化)などがある。主観的要素が強いアウトカムの評価では、QOLや症状等の複数項目をスコア化してエンドポイントにする場合もある。