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薬学用語解説

市販後調査

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
レギュラトリーサイエンス部会
© 公益社団法人日本薬学会

医薬品が臨床試験後に承認されて、販売された後に行われる調査。GPSP(Good Post-marketing Study Practice:製造販売後調査・試験の実施の基準)に基づく製造販売後調査・試験とGVP(Good Vigilance Practice:製造販売後安全管理の基準)に基づく安全性確保業務をいう。臨床試験を経て承認された医薬品は市販され、多くの患者に使用されることになる。医薬品の製造販売の承認に際しての有効性、安全性に関する情報は、限られた条件下で実施された臨床試験(治験)から収集されたもので、実際の医療の現場とはいくつかの点で異なっている。臨床試験からの情報は、○検討症例数が少ない。○年齢、合併症、併用薬などに制限がある患者の成績である。○投与期間が短い。○試験成績が集団としての評価である。○専門医の管理下による投与である。などの条件下のものである。従って、製造販売後に広範な患者に起こり得る副作用・感染症を予知するための情報として必ずしも十分とはいえない。このため、特に臨床試験から除外されることの多い小児、高齢者、妊産婦、肝機能障害や腎機能障害を有する患者などにおける情報を収集することが重要である。このような理由から、製造販売後も引き続き医薬品の有効性、安全性について調査し監視していく必要があり、市販後調査が導入された。