薬学用語解説
ICH
医薬品規制調和国際会議
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
レギュラトリーサイエンス部会
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よりよい医薬品をより速く,継続的に世界中の患者の治療に提供するために,日本,米国,EU の医薬品の開発に従事する規制当局および製薬業界(日本:厚生労働省/PMDA、米国:食品医薬品庁(FDA)、EU:欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA))、および各産業界(日本:日本製薬工業協会(JPMA)、米国:米国研究製薬工業協会(PhRMA)、EU:欧州製薬団体連合会(EFPIA))によって、1990年に創設された組織。ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)と略される。現在はメンバーが拡大され、2014年よりヘルスカナダ、スイスメディックが規制当局として参加、さらに2015年にスイス法人化され、規制当局としてブラジル、韓国、中国、シンガポール、台湾、トルコ、業界団体として、バイオテクノロジーイノベーション協会、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会等がメンバーとなっている。また、常任オブザーバーのWHO,国際製薬団体連合会(IFPMA)に加え、アルゼンチンやインド等多くの規制当局がオブザーバーとして参加している。ICHの目的は、医薬品の承認に際して必要な、品質・有効性・安全性に係わる試験方法や収集すべきデータ、承認申請時のフォーマット、市販後の安全体制等について共通のガイドラインとして作成し、医薬品への審査等の標準化(国際調和)を目指すことであり、既におよそ60のガイドラインが調和されている。合意に至ると、そのガイドラインの適用が各地域で可能となるよう、各国が法的な整備も含めた必要な措置が取られる。また、現在の活動では、ヒトにおける不必要な臨床試験の重複を避けることや、安全性及び有効性が損なわれることなく動物試験が軽減されることにも貢献している。