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薬学用語解説

抗体医薬品

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
レギュラトリーサイエンス部会
© 公益社団法人日本薬学会

免疫グロブリン(抗体)に由来する構造を持つ医薬品で、抗体の特徴である高い標的特異性やFc受容体を介した免疫細胞活性化、血中濃度制御等の機能を活用して多くの製品が開発され、関節リウマチ等の免疫系の疾患やがんの治療等に広く用いられている。ヒト以外の種から取得されたモノクローナル抗体をもとに、定常部をヒト抗体に置換したものをキメラ抗体、相補性決定部以外を全てヒト抗体に置換したものをヒト化抗体という。従来、国際一般名において由来する種を示すサブステムが用いられ、マウス抗体は-omab、キメラ抗体は-ximab、ヒト化抗体は-zumab、ヒト抗体は-umabと区別されていたが、このルールは2017年に廃止された。様々な構造改変を施した抗体医薬品の開発品目が多くなり、国際一般名に関する2021年のルール改訂では、モノクローナル抗体に関するステム-mabも廃止され、非改変抗体(unmodified immunoglobulin)は-tug、改変抗体(antibody artificial)は-bart、多重特異性抗体(multi-immunoglobulin)は-mig、断片抗体(fragment)は-mentと命名される。