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薬学用語解説

比例報告比(PRR) と報告オッズ比(ROR)

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
レギュラトリーサイエンス部会
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いずれの指標も医薬品副作用報告データベースの情報を、特定の有害事象とその他の有害事象、特定の医薬品とその他の医薬品に分類して要約した2×2分割集計表から算出される値であり、分割表内での不均衡を表す指標となる。特定の有害事象と特定の医薬品との間に関連性がなく、平均的な報告割合と同程度であれば、いずれも1に近い値となると考えられ、したがって1より明らかに大きい値となる時、シグナルとして捉えることができる。計算式がシンプルで直感的に理解し易いことから医薬品副作用報告データベースでのシグナル指標として広く利用されている。副作用報告数が少ない段階では値が不安定になることから注意が必要である。なお、用いるデータは、自発報告であることから、過少報告を含む報告バイアスが存在すること、また、投与人数の情報が無いことから、これらのシグナル指標は、医薬品と有害事象との因果関係や、発現リスクの増減を反映しているものではないことに、留意すべきである。シグナルが検出された際には、その検証のため、さらなる本格的な調査分析が必要である。