薬学用語解説
時計遺伝子
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
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時計遺伝子とは生体機能の24時間周期の変動(概日リズム)を制御する遺伝子群の総称である.1984年にショウジョウバエのPeriod(Per)が同定され、その発現の24時間周期変動が、概日リズム発振の本体であると明らかになった(2017年ノーベル生理学・医学賞)。ほ乳類動物ではPer, Cryptochorome(Cry)、Clock, Bmalなどが同定されている。これらによってコードされる各タンパク質は、転写抑制因子(PER, CRY)または転写促進因子(CLOCK、BMAL)として機能し、互いの発現を調整するフィードバックループ機構を形成することで、様々な遺伝子の発現に概日リズムを引き起こす。