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薬学用語解説

細胞膜ラフト

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

細胞膜にはコレステロールとスフィンゴ脂質の他に、GPIアンカー、イノシトールリン脂質および複合糖質など、細胞内シグナル伝達に関連するタンパク質が集合して作られるラフトと呼ばれる小領域がある。この領域はスフィンゴ脂質の会合により膜上に形成される脂質ドメインである。ラフトは可塑的な構造で、信号パスの調整や、クロストークに基本的な役割を有しているため、多くの受容体やシグナル伝達に関連する膜タンパク質が濃縮されている。したがって、その機能としてはシグナル伝達、細胞接着、ウイルスや細菌の感染、高分子輸送、加齢による疾患などに重要な役割を演じている。