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薬学用語解説

核移行シグナル

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
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核移行シグナル(NLS)とは、細胞内で合成され核に移送されるべきタンパク質の1次構造中に存在する、塩基性アミノ酸のリジンとアルギニン残基が数個集まった領域のことである。ポリペプチド鎖の端ではなく中にあり、複数存在することもある。SV 40 T 抗原(PKKKRKV)、c-myc(PAAKRVKLD)、p53(PQPKKKP)、NF-κBp50(QRKRQK)などがある。核内移送にはNLSに運搬タンパク質であるインポーチンとGTP結合タンパク質の1種であるRanが結合し、核孔複合体が認識して通過させる。ミトコンドリアなどの他の細胞内小器官への選択的タンパク質移送にも、同様の特徴的アミノ酸配列による移送がある。