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薬学用語解説

リードスルー薬

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

遺伝性疾患の約5~20%は、ナンセンス変異が原因で発症すると言われている。ナンセンス変異では、構造遺伝子上に未熟終止コドン(premature termination codon:PTC)が生じ、機能を有するタンパク質の発現が妨げられる。リードスルー薬は、このPTCを読み飛ばし(リードスルー)、完全長タンパク質を発現させる薬物である。リードスルー作用を有する化合物としてゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質やケミカルライブラリーから見いだされたアタルレン(2014年にEPAに承認)が知られているが、実用化されたものはない。リードスルー作用の詳細な分子機構は解明されていない。