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薬学用語解説

ユビキチン―プロテアソームシステム
ユビキチンシステム

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

ユビキチンは進化的に高く保存された分子量8.6 kDa の低分子タンパクであり、翻訳後修飾に関与する。タンパク質のユビキチン化修飾は、標的タンパク質に分解シグナルを付加する反応であり、その反応系にはユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、ユビキチンリガーゼ(E3)の複合酵素反応系が関与している。この複合反応系により標的タンパク質の特定のリシン残基にイソペプチド結合し、ユビキチン分子間でも同じ結合を繰り返して複数のユビキチン鎖が形成される。このユビキチン鎖が分解シグナルとなり、ATP依存性プロテアーゼである26Sプロテアソームによって捕捉され、瞬時に分解される。この分解系は、小胞体内で適切に折りたたまれなかったタンパク質の分解、細胞周期、アポトーシスをはじめ多様な生命現象に直結している。