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薬学用語解説

Caco-2細胞

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年11月02日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

ヒト結腸癌由来の細胞株。多孔性のメンブレンフィルター上に培養すると、小腸の円柱上皮細胞に似た刷子縁やタイトジャンクションの形態学的特徴を示し、P糖タンパク質(P-glycoprotein)やペプチダーゼなどの代謝酵素も発現する単層の細胞層を形成する。化合物の透過性は、単層培養した細胞を透過してきた化合物量をLC-MSやLC-MS-MS (LC-tandem mass spectrometry )などを用いて微量測定することにより計算できる。Caco-2細胞での透過係数(apparent permeability coefficient;Papp)は腸管吸収やバイオアベイラビリティと相関するとされており、薬物の消化管膜透過性のスクリーニングに有用である。一方、薬物代謝酵素であるCYP3A4は、生体内の消化管上皮細胞では多く発現しているがCaco-2細胞では少ない。