薬学用語解説
バイオフィルム
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
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バイオフィルム(biofilm)は、水と接触する物質表面に付着し形成される微生物の共同体のことである。菌体外多糖などの有機物に覆われた内部では多くの微生物が共存し、外部環境から保護されている。川底の石や不衛生な台所のぬめりはバイオフィルムによるものである。動物消化管内の正常細菌叢の一部も、バイオフィルムを形成し生息していると考えられている。また、ヒトにおける歯周病,慢性呼吸器感染症、及び結石、カテーテル留置による尿路感染症の多くは、バイオフィルムによるものと考えられている。β-ラクタム系及びアミノグリコシド系抗生物質は、バイオフィルム内へ透過しないため内部の細菌には無効である。