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薬学用語解説

TRP型カチオンチャネル

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

TRP (transient receptor potential) チャネルは、6回膜貫通領域を有するTRPタンパク質群のホモあるいはヘテロ4量体からなる陽イオンチャネルであり、機能的な多様性を有するイオンチャネルファミリーである。1989年にショウジョウバエの光受容体変異株の原因遺伝子の産物蛋白質として発見された。そのホモログは多くの組織において非選択性カチオンチャネルとして働く。現在までに多くのTRPホモログがみいだされており、それらで構成されるTRPスーパーファミリーは、哺乳類ではTRPC、TRPV、TRPM、TRPA、TRPP、TRPMLの6つのファミリーに大別される。TRPV1はカプサイシン受容体とも呼ばれ、酸や熱によっても活性化されて痛覚に関与する。TRPチャネルは、細胞内外の様々な刺激によって活性化するセンサー機能、シグナル変換するトランスデューサー機能、細胞膜付近に様々な蛋白質やシグナルを集積する足場蛋白質としての機能を併せ持つことが明らかになってきている。