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薬学用語解説

glucose_transporter
GLUT

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年11月02日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会

glucose transporter(糖輸送担体、GLUT)はグルコース(ブドウ糖)の促進拡散型輸送を行うトランスポーターである。輸送の際にエネルギーは消費しない。GLUTには、GLUT1~GLUT7の分子種が報告されている。 その中で例えば、GLUT1、GLUT4は細胞へのグルコース取り込みを仲介する。GLUT4は、主に骨格筋、心筋、脂肪細胞に発現し、いずれも細胞内小胞の膜上に保持されている。インスリンによる刺激が細胞内に伝達されると、小胞と細胞膜との間で膜融合が起こる。その結果、GLUT4は細胞膜上へと移動(トランスロケート)し、細胞外の糖の取り込みに寄与する。GLUT2は、小腸粘膜や膵臓B細胞の膜上に豊富に存在している。小腸や腎臓で、グルコースの吸収・再吸収にかかわるNa/グルコース共輸送型トランスポーター(SGLT)とは異なった分子である。