薬学用語解説
アロステリックサイト
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
医薬化学部会
© 公益社団法人日本薬学会
「アロステリック」は「別の場所」を表す。アロステリックサイトは、アロステリック薬の結合を引き金として、タンパク質の構造に微妙な変化をもたらす。このとき、タンパク質に対するリガンドがオルソステリック(真の場所)に結合すると、このタンパク質の本来の生物機能に変化が認められる(アロステリック効果)。アロステリックサイトに結合する化合物自体は、タンパク質の機能に影響を及ぼさない。例えば抗不安薬ジアゼパムは、GABA受容体におけるGABAの作用を増強させるアロステリック薬である。アロステリックサイトは、オルソステリックサイトへの従来のアプローチに加え、新薬開発に新たな場を提供するとして注目されている。