薬学用語解説
カロテノイド
carotenoid
作成日: 2024年05月13日
更新日: 2024年05月13日
生薬天然物部会
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炭素数20のゲラニルゲラニル二リン酸(GGPP)2分子がtail to tailで縮合したフィトエンを生合成の前駆体とする、炭素数40の不飽和テトラテルペノイド類をカロテノイドと呼んでいる。一般に黄色、赤色、橙色の脂溶性天然色素として動植物界に広く分布しているが、動物は自ら生合成できないので植物から摂取している。食品などの天然着色料として重要であるほか、β-カロテン(カロチン)は動物体内で酸化開裂し、ビタミンAを与えるのでプロビタミンAとしての作用を有する。また、トマトの赤い色素成分であるリコペンなどは、抗酸化活性物質として発がん予防の観点から興味深い化合物とされている。